AIは超かしこい計算機…。新井紀子さんの本でわかったこと

 AIが人間の知能を超えるとかシンギュラリティとか言われ ”そう言われれば最近のOK Googleもめっちゃ賢いやん、AIもう人間に勝つかも”と漠然と考えていました。それで、AIに関する本をいくつか読んで、一番すっきりしたのが新井紀子さんのベストセラーでした。

 まず、AIが将棋や囲碁の名人に勝ったから、人間がいらなくなる、という単純なものでないことがよくわかりました。新井さんによれば、AIは「厳密な論理」と「確率」と「統計」で動く計算機(私の理解では「超かしこい計算機」)なので意味を解さない、これが本質的な人間との違いとのことです。例えば「私は山口と広島に行った」と「私は山田と広島に行った」を見て、人なら前者は2つの街に、後者は2人で広島に行ったことがすぐにわかるのに、AIには文脈から区別がつかないそうです。

 

 ということは、意味を介する人間が、超かしこい計算機をいかに効率的に使いこなすかを考えることが、これからの時代をうまく生活できるかの差になるのでしょう。私はこの本の記述から、特に2つのことを意識して生活しようと思いました。

 1つめは、「読解力」を意識して維持向上させ続けることです。大人でも読解力は維持向上できるとのことなので、読んだり書いたりを繰り返して、少なくともAIが理解できる文章の論理は理解できる力をキープしたいと思います。

 2つめは、AIが扱っている数理モデルと現実の違いを明確に感じる「感受性」や「責任感」をもつことです。具体的にどうすればいいか難しいですが、少なくともAIの処理がブラックボックスであること、彼らが超かしこい計算機であることを意識した上で、AIの出したアウトプットを人間目線で補正することができればと思います。特に将来、採用や融資、裁判などでAIが判断材料を出した際は大事になるでしょう。

 

 まだ、OK Google 以外に身近にAIを感じていませんが、煩雑な「作業」をAIが代替してくれて、人間がもっと意味もあって楽しい「活動」をできるようになればうれしいですね。個人的には「必要なものを探す」時間が非常に多いので、それをAIに頑張ってほしいです。そのためには「何をどんな時に無くすか」教師データが必要でそのデータを蓄積するには…、いい加減自分で防止策を考えた方が早いか(笑)。  (おわり)